みずほフィナンシャルグループ みずほ信託銀行 みずほ証券
〈みずほ〉の 「ビジネスと人権課題」への取り組み
〈みずほ〉は、持株会社のみずほフィナンシャルグループ※の傘下に、みずほ銀行、みずほ信託銀行※、みずほ証券※等の事業会社を有する総合金融グループです。人権尊重の一層の重要性の高まりや、金融機関・グローバル企業としての人権課題の変化をふまえ、2022年に人権方針を改定し、各業務における人権尊重への取り組みを強化しています。具体的には、①金融サービスの提供を通じて自社が引き起こす課題、②投融資の提供を通じて投融資先が引き起こす課題、③外部委託や購買などの調達業務を通じたサプライヤーに関する課題、④社員の人権、の4つの課題に対応しています。(※は東京人権啓発企業連絡会会員企業)金融サービスの提供における対応
〈みずほ〉各社では、新商品・サービス開発時に人権にどのような影響を与えうるかを評価し、リスクがある場合、その回避策の整備を必要とします。また、広告やウェブサイトについて、人権の観点で問題となる表現がないかを確認し、必要に応じて修正する体制を整えています。年齢・性別・障がいの有無などに関わらず誰にでも利用しやすい店舗やシステム、お客さま向け書類・コンテンツのバリアフリー化・ユニバーサルデザイン化にも取り組んでいます。具体的には、目の不自由なお客さまにもご利用可能なATMの設置や代筆・代読の手続も規定しています。また耳の不自由なお客さま向けにコミュニケーションボードの設置や独自の手話通訳サービスも行っています。
▲ハンドセット付ATM
▲コミュニケーションボード(表)
▲コミュニケーションボード(裏)
投融資先が引き起こす課題への対応
投融資等を通じて環境・社会に対する負の影響を防止・軽減するため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿った人権デューデリジェンスに取り組んでいます。例えば、新たな取引先が強制労働・児童労働・人身売買を引き起こしていることが明白である場合、投融資は行いません。また、既に与信取引がある企業が強制労働等を引き起こしていることを確認した場合、取引先の対応状況を確認したうえで、取引継続を慎重に検討します。投融資を通じた人権課題は、深刻度の高い人権リスクにつながる可能性が高いため、新規先との取引開始時には初期スクリーニングや、環境・社会リスクの高い特性セクターの取引先に対しては、年次で対応状況の確認を行っています。
サプライヤーに関する課題への対応
調達活動を通じて、サプライヤーの従業員や環境・社会に対する負の影響を防止・軽減するため、調達に関する方針を制定し、サプライヤーに遵守いただきたい事項として「サプライヤーの行動指針」を定め、理解と協力を求めています。また、主要サプライヤーについて、外部データを活用し、人権に関連したリスクスクリーニングを実施しています。加えて新規取引時は契約書にサプライヤーの行動指針の遵守を規定し、人権尊重を求めています。社員の人権尊重
2024年4月、グループ共通の新しい人事の枠組みに移行予定で、2023年4月から合同の新卒採用を開始しました。採用だけでなく、横断的な人事異動や人権啓発、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進、更には人的資本管理など、各種人事施策にはグループ一体で取り組み、多様な社員が活躍する働きやすい環境の構築を進めています。●人権啓発推進委員会
持株会社の人権啓発推進委員会に事業会社の役員も委員として参加し、グループの人権課題や人権研修テーマ等について協議するなど、人権尊重の精神に溢れた企業風土の醸成を推進しています。
●人権啓発研修
各社の人権担当者は持株会社も兼務し、グループ共通の人権研修を企画しています。全社員向け、役員向け、新入社員向け、更には採用担当者向け、各部店の人権啓発推進員向けの研修など、すべて持株会社で企画し、同じ内容の研修をグループ各社で実施しています。一方、ビジネスは各社で異なりますので、例えば、不動産業を営むみずほ信託銀行では、不動産業務担当者向け研修など、独自の人権研修も行っています。
●ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)
〈みずほ〉のDEIコミットメントを制定し、すべての社員が自分らしく輝き、やりがいと誇りを感じられる組織をめざし、DEIを推進しています。女性活躍推進、仕事と育児・介護の両立者支援、LGBT+の理解促進・意識啓発、組織開発等によるカルチャー改革など各種施策に取り組んでいます。加えて、特例子会社みずほビジネス・チャレンジドをはじめ、障がいのある社員の雇用・活躍にも積極的に取り組んでいます。みずほ証券では、部店ごとにDEI推進員を選定し、インクルーシブな職場環境構築に取り組んだ部店を表彰するなど、独自のDEI施策も実施しています。
▲みずほビジネス・チャレンジドの職場風景
●働き方改革
社員が活き活きと活躍するためには、働きやすい環境構築も不可欠です。企画型裁量労働制の停止、メンタルヘルス向上のための研修、週休3・4日制の導入や時差勤務などライフスタイルに合った柔軟な働き方を可能としています。
●社員相談窓口
社員向けに、コンプライアンス・ホットラインやみずほ人権ヘルプライン、社員相談室等を設置し、匿名性や秘密保持を保証した相談体制を整えています。
いかなる取り組みを行っても、人権への潜在的な負の影響をすべて解消することは難しく、人権尊重は終わりのない取り組みです。ステークホルダーとの対話を重ねながら、人権が尊重されるバリューチェーンの構築に向けて〈みずほ〉は一歩一歩進んでいきます。
2024.4 掲載