資料館探訪 新しい「東京都人権プラザ」がオープン!よりいっそう魅力的な施設へ
東京都人権プラザ外観
新しい「東京都人権プラザ」は、平成29(2017)年2月16日、港区芝に移転オープンしました。人権に関する展示を中心に、セミナーの実施、図書資料の収集や貸出、相談受付といった機能を備えています。
移転先は、都営地下鉄やJR、東京モノレールの駅から徒歩数分という大変利便性の高い場所にあります。
また、通りに面したビルの1階・2階なので、その立地を生かし、入口のショーウィンドーに「レーサー」と呼ばれる競技用車いすを展示するなどの工夫を凝らし、通りがかりの方に興味を持っていただけるような明るい外観となっています。
新しい人権プラザの特徴
新しい人権プラザでは、大人はもちろん、特に次代を担う子供や若者をメインターゲットとしました。また、人権を考えることは特別なことではなく日常生活には人権を考えるヒントがたくさんあることや、自分にできることは数多くあることに気づき、考えるきっかけとなる施設とすることを基本コンセプトとしました。その上で、様々な新しい意欲的な展示を取り入れました。施設のご案内をします
まず、1階入口を入ってすぐ、オリンピック・パラリンピックの特別展示を実施しており、オリンピック・パラリンピックと人権との間に深い関係があることを解説しています。そこでは、車いすバスケットで使う車いすや、様々な競技のボールなどを間近で見て触ることができますので、パラリンピック競技の魅力を体感しながら、人権に目を向けていただけます。少し進むと、書家の金澤翔子さんが、共生社会の実現を願って書かれた「共に生きる」という文字が目に入ります。
オリンピック・パラリンピックの特別展示
金澤翔子さんの書
TOKYO キヅキ・タウン
さらにその先には、様々な体験コーナーがあります。例えば、車いすに乗って坂道やドアの開け閉めなどの身近なバリアを実際に体験したり、スマートフォンを模したデジタルサイネージ(※ デジタルサイネージ:ネットワークに接続したディスプレイで映像や情報を表示するシステム)で正しく安全なインターネットの使い方を学ぶことができます。アイヌの人々の民族衣装を試着し、衣服の感触や文様の美しさなどを実際に感じることもできます。
この他にも、様々な人権課題に関する当事者の「生の声」を紹介する映像コーナーや、人権をより深く掘り下げた写真展などの企画展を実施する企画展示室もあります。
階の図書資料室
そのほか、1階にはセミナールームがあり、都民講座や展示と連動したイベントなど、多様な企画を実施しています。
2階の図書資料室では、DVDやビデオ、専門的な資料を揃えていますので、社内研修の準備や研究のためにご利用いただけます。人権に関係するマンガや新書など、手に取りやすく、読みやすい本も集めており、子供やこれまで人権にあまり関心がなかった方にも興味を持っていただけます。都内に居住、通勤・通学されている方には貸出もしています。
多くの方が訪れる施設へ
移転オープンの日に近くの小学校の5年生を招待したところ、子供たちは楽しみながら熱心に展示室などを見学してくれ、先生方からは人権を意識して考える機会になった、との感想をいただいています。今後はより多くの方に人権プラザをご利用いただくことが課題です。そのためには、魅力ある講座やイベントの開催、効果的な広報展開などを、積極的に実施していきたいと思っています。
東京2020大会に向け、人権尊重の理念が浸透した社会の実現は欠かせません。人権プラザでは、個人だけではなく、企業や行政関係などの方による研修・視察への対応もしています。新しくなった人権プラザを皆様に活用していただければ幸いです。 ホームページ:https://www.tokyo-hrp.jp/
2018.1掲載