ひろげよう人権|東京人権啓発企業連絡会

書籍紹介

お薦めする人権関係図書です。書籍紹介の「内容の概略」は出版社の紹介文を引用しています。
書籍の価格は、定価(本体)+税になります。

新着図書

人権全般

外国人生徒と共に歩む大阪の高校
~学校文化の変容と卒業生のライフコース~
著者 山本 晃輔
   榎井 縁
出版 明石書店
定価 2,600円
発行 2023年6月1日
全国的に外国人生徒の高校進学率は上昇したものの、中退率は高止まりする等、いまだ学校現場での課題は多い。本書は大阪の「枠校」の調査・分析結果を整理することから高校における外国人生徒を受け入れるための論点を洗い出し、日本の目指すべき方向を模索する。

同和問題

「寝た子」はネットで起こされる!?
~ネット人権侵害と部落差別~
著者 川口 泰司
出版 福岡県人権研究所
定価 1,500円
発行 2023年6月8日
二〇一六年「部落差別解消推進法」が成立・施行した。インターネットやSNSを悪用した差別の悪化・深刻化が立法事実となった。ネット上で拡散するデマや偏見。ネット版「部落地名総鑑」や部落出身者リスト、部落を撮影した動画や画像がアップされている。部落/出身者を「暴き」「晒す」差別扇動が続いている。もう、「寝た子を起こすな」論は通用しない。「寝た子」はネットで起こされる。
全国水平社創立から百年を迎えた今、部落差別の現実、差別禁止法の必要性、ネット対策、人権教育のあり方について考える一冊。

人権全般

チャットGPT vs. 人類
著者 平 和博
出版 文藝春秋
定価 900円
発行 2023年6月20日
存在しない論文や、危険な健康アドバイスなど、回答内容の「もっともらしいデタラメ」ぶりも、波紋を広げている。
AIが現実には存在しない事柄などを回答する現象は「幻覚」と呼ばれる。「幻覚」の原因はAIの仕組みにある。AIは学習内容から、質問に対して最も可能性の高い単語のつながりを回答として出力しており、「正しさ」「適切さ」を判断しているわけではないのだ。本書は、子供(教育)から大人(ビジネス)まで、我々の日常生活を根底から変えうるテクノロジーの「凄さ」と「怖さ」を知るための必読書だ。

人権全般

絶対成果の出るオドロキの社員研修
著者 山口 しのぶ
出版 幻冬舎メディアコンサルティング
定価 900円
発行 2023年5月23日
4000回以上のセミナー実績と参加者満足度98%を誇る著者が解説する『確実に社員の能力を高められる研修』とは。社員研修を成功させるためには、テーマを絞り、研修スタイルや研修代行会社を見極める!

その他

ガザとは何か
~パレスチナを知るための緊急講義~
著者 岡 真理
出版 大和書房
定価 1,400円
発行 2023年12月22日
【緊急出版!ガザを知るための「まず、ここから」の一冊】
2023年10月7日、ハマース主導の越境奇襲攻撃に端を発し、イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。長年パレスチナ問題に取り組んできた、パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、平易な語り口、そして強靭な言葉の力によってさまざまな疑問、その本質を明らかにします。
今起きていることは何か?パレスチナ問題の根本は何なのか?イスラエルはどのようにして作られた国?シオニズムとは?ガザは、どんな地域か?ハマースとは、どのような組織なのか?いま、私たちができることは何なのか?
今を知るための最良の案内でありながら、「これから私たちが何を学び、何をすべきか」その足掛かりともなる、いま、まず手に取りたい一冊です。

障がい者

見えないから、気づく
著者 浅川 智恵子
(聞き手) 坂元 志歩
出版 早川書房
定価 940円
発行 2023年10月17日
全盲の研究者はどのように世界をとらえ、変えてきたのか?
14歳のとき失明。ハンディキャップを越え、世界初の「ホームページ・リーダー」などアクセシビリティ技術を生み、日本女性初の全米発明家殿堂入り。現在は日本科学未来館館長とIBMフェロー(最高位の技術職)を務める研究者が明かす自身の半生と発想の源泉

同和問題

差別する人の研究
~変容する部落差別と現代のレイシズム~
著者 阿久澤 麻理子
出版 旬報社
定価 1,700円
発行 2023年9月26日
差別の現れ方、正当化する言説は時代とともに変わっていく。
例えば、部落差別はかつての結婚・就職ではなく、その土地に住むことに対する忌避が強く現れる。
また、昨今は「社会的弱者であることをふりかざし、福祉に甘えている。逆差別だ」などという偏向した言説も目立つ。
こうした差別の変容はなぜ、どのように起きるのか。
現代的レイシズムを基点に、差別「される側」ではなく「する側」の構造をあきらかにする。

その他

生成AI
~「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?~
著者 小林 雅一
出版 ダイヤモンド社
定価 1,800円
発行 2023年7月4日
言葉を理解し、文章や画像だけでなくプログラミングコードすら生み出す生成AIは社会をどのように変えるのか?
中心となるOpenAIやマイクロソフト、それに対抗するグーグルなどテック企業の思惑とは?
超スピードで進むAIの進化と社会変革についていくための基礎教養をまとめた、現時点の最良のレポート。

人権全般

レビー小体型認知症とは何か
~患者と医師が語りつくしてわかったこと~
著者 樋口 直美
   内門 大丈
出版 筑摩書房
定価 860円
発行 2023年12月5日
著者の樋口は、50歳で「若年性レビー小体型認知症」と診断されたが、41歳の時にうつ病と誤診されて治療で悪化した経験がある。この本では、この病気に精通する内門医師と、この病気の早期発見のポイント、幻視や睡眠障害への対応、薬についての知識や治療で気をつけること、アルツハイマー病との違い等、ケアする側や高齢化社会では誰もが知っておくべきことを徹底的に語る。「認知症になったら人生終わり」ではなく、希望がある病気であることを伝えたい。

人権全般

ルポ無料塾
~「教育格差」議論の死角~
著者 おおたとしまさ
出版 集英社
定価 960円
発行 2023年12月15日
教育格差は絶対悪なのか?
機会の平等が実現された先にある「本当の地獄」とは?
経済的に余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。
また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマをあぶり出し、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた死角に光を当てる、迫真のルポルタージュ。

その他

この国の同調圧力
著者 山崎 雅弘
出版 SBクリエイティブ
定価 900円
発行 2023年7月6日
日本はなぜ、
ここまで息苦しいのか?

日本人は、なぜこれほどまでに「同調圧力」に弱いのか? 私たちの心と行動から自由を奪う「見えない力」をさまざまな角度から分析し、その構造を読み解き、正体を浮かび上がらせる、現代人必読の書。

人権全般

聞き取り もうひとつの隔離
~ハンセン病療養所附属保育所に収容された子どもたちの人生~
著者 福岡 安則
出版 解放出版社
定価 3,000円
発行 2023年9月30日
ハンセン病問題にとりくむ社会学者が、療養所附属保育所で育った人を中心にハンセン病罹患者の家族から聞き取った苦悩の半生を記録。

人権全般

関東大震災 朝鮮人虐殺の真相
~地域から読み解く~
著者 関原 正裕
出版 新日本出版社
定価 1,800円
発行 2023年7月1日
百年前の痛ましい出来事。教科書には、"流言が広がる中、自警団などにより殺傷された"などとある。では流言はなぜ流れ、また自警団とはどういう人々だったか。事実を認めず真相を「歴史家がひもとく」などとする政治家もいる中、埼玉で真実を探求してきた歴史家が、具体的物証とスケール大きな時代把握で解き明かす!

女性・性差別

女性不況サバイバル
著者 竹信 三恵子
出版 岩波書店
定価 1,000円
発行 2023年7月20日
コロナ禍の下、ケア的労働を担う女性たちの雇用危機はいかに無いことにされ、放置されてきたのか。社会に埋め込まれた「不可視化と沈黙」を生み出す「六つの仕掛け」を丹念に洗い出し、当事者たちの懸命の模索をたどる。

人権全般

アイヌもやもや
~見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。~
著者 北原 モコットゥナシ
(漫画) 田房 永子
出版 303 BOOKS
定価 1,600円
発行 2023年12月12日
日本の民族的マイノリティであるアイヌ。北海道が舞台のドラマでもその姿を目にすることはめったになく、教科書に載っているのも民族衣装を着た姿ばかり。非アイヌにとって、今を生きるアイヌの姿は、まるで厚い「もや」の向こう側にあるかのようです。アイヌは、どんなことに「もやもや」を感じているのか? その「もやもや」はどこから来るのか? 無知・無理解や差別の構造、そしてマイノリティとマジョリティの関係など、北原モコットゥナシが様々な視点から考察してゆきます。

人権全般

在日という病
~生きづらさの当事者研究~
著者 朴 一(パク イル)
出版 明石書店
定価 2,200円
発行 2023年10月31日
在日コリアン三世として日本で生まれた著者は、どのような生きづらさを感じてきたのか。
65年にわたる在日生活史を、生まれ、結婚、就職、入居から国籍条項、参政権、メディア発信とバッシングなどのトピックで分析、記述する。
排除と同化を突き付けられる中、受容して生きなければならない「在日という病」の本質に迫る当事者研究。

障がい者

温めれば、何度だってやり直せる
~チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来~
著者 夏目 浩次
出版 講談社
定価 1,500円
発行 2024年2月9日
世界各国のカカオや国内の様々な食材を組み合わせ、手作業で作られる色彩豊かなチョコレートが人気の「久遠チョコレート」。代表の夏目さんが「凸凹がある多様な人たちを誰一人取り残さず、かっこよく働ける場所を作りたい」という思いのもと、2014年、愛知県豊橋市で開業したこの店は、現在、北海道から鹿児島まで60の拠点を持つようになり、年商18憶円にまで成長。全国の企業や福祉事業所からビジネスに参画したいというオファーが殺到し、その問い合わせは、「ここで働きたい」という声も含めて年間1000件にも上る。たとえば俳優・松山ケンイチさんが手掛ける資源のアップサイクルブランド-momiji-とのコラボもその1つ。
夏目さんがこだわるのは、障がいや生きづらさを抱える人たちに、単なる「居場所」ではなく「稼ぐ場所」を作ること。「リアルな所得があってこそ、リアルな生きがいは生まれる」という信念のもと、全国の障がい者の平均賃金約1万6000円という壁を打ち破り、その10倍以上の賃金を支払う「稼ぐ場所」を創出している。
ただ、久遠チョコレートが今の場所に辿り着くまでには、「絶対失敗する」と笑われたり、呆れられたことは数知れず。周囲に何度も迷惑をかけ、怒られ、バッシングを受けながらの挑戦が続いた。
この本で語られるのは、夏目さんの無謀ともいえる挑戦と、ぶつかり続けた壁と、次々と現れる課題を乗り越えるために絞り出された知恵と汗の物語。学歴も技術もキャリアも自信もお金もなかった夏目さんが、世の中で「使えない」とされている人たちに「稼げる場所」を作ろう、と奮闘してきた道のりだ。そこには、逆境の中においても「無理だ」ではなく「どうしたらできるか」の逆算思考で組織を成長させ、ビジネスに変える数々のアイディアがある。

女性・性差別

〈共働き・共育て〉世代の本音
~新しいキャリア観が社会を変える~
著者 本道 敦子
   山谷 真名
   和田 みゆき
出版 光文社
定価 880円
発行 2024年3月21日
男性育休や働き方改革が企業の重要課題となった現代。しかし、すべてのケアワークを妻に担わせて会社の仕事だけに時間をつぎ込んできた男性が大方を占めるマネジメント層と、これからの時代を担うミレニアル世代とでは、そのキャリア感に大きな隔たりがある。本書は〈共働き・共育て〉を志向するミレニアル世代にインタビュー調査を行い、仕事と子育ての両立、そのための様々な障害にどう対処しているかの事例を多数紹介。企業の経営陣、人事担当者にとってはもちろん、両立に悩むデュアルキャリア・カップル当事者のヒントにもなる本。
【解説・佐藤博樹東京大学名誉教授】